2010年4月11日(日)
桜が満開となった暖かい春の日に、田園生活座談会を開催しました。
古民家の風情を味わいながらの、なごやかな会となりました。
話題提供の概要

伊藤春樹 聚文化研究所 「集落のなりたち」
つくば地域の集落は、最初に台地上端に住み始め、徐々に水田に近い台地の際、そして低地に住み始めた歴史について、
また、「ブッペイ」という、家と庭のバランスの良さを示す筑波地方のことばをキーワードに、長屋門のある家や、それらをとりまく防風林や生け垣の例を写真と共に紹介。
集落の調査をして感じたことは、家のたたずまいは、そこに住んでいる人の人柄を表しているということ。
最近は、集落の良さを多くの人に味わってもらおうと、集落散策イベントを行なった。
集落と都会の人をつなぐには、集落の中に良き理解者、つなぎ役がいることが必要だ。
加藤誠洋(ゲスト) 加藤建築事務所 「つくばのみかた」
独自の目線でまちを見て来た加藤氏が、つくばを見る時に考えた視点とは。
研究学園都市の地図上にプロットした赤い丸印、それは神社のある位置だ。
社寺は昔から位置が変わらない事が多いので、それらの場所から変遷を見てみようという手法である。
神社の位置をプロットしてみると、みごとに研究学園都市として都市計画された地域には神社が存在しない。
昔の航空写真や古地図と合わせてみると、低地林が広がっているエリアであることがわかる。
低地林が研究学園都市に置き換わったが、昔ながらの道やため池などは断絶しながらも残っており、また周囲の集落や道はあまり変わっていないのではないか。
そこで今度は神社に足を運んでみる。どの神社の背景にものどかな田舎の風景が写る。
田園生活は、このような集落の歴史を取り入れてこそ、生きて来るだろう。
岩永至功 時空遊園 環境・建築研究所 「AGRITECTURE」
一度造成されて野放しになった土地には、勢力の旺盛な帰化植物が繁茂し、花粉をまき散らす他、山火事を引き起こすこともある。
そんな場所を森に戻しながら、野鳥の研究所と学習館を建設する時に工夫した事例を紹介。身近ないきものを観察できる建物、地域の材木や土を使う建物の設計について紹介。
生き物にやさしい建物は、結果的に景観にもやさしい建物になるのではないか。
また、昔の集落のように、充分に広い土地がなくても、野菜づくりを楽しめる畑と住宅が一体となったような建物を「AGRITECTURE=agriculture(農)+architecture(建築)」という愛称で表現し、現代的な造形の中にも、日本の木材を使い、建築の造形の工夫で太陽光や風の流れをとりいれて生活するスタイルを紹介した。
3名の話題提供の後、参加者を交えての座談会をおこないました。

自然発生的に出来て来た集落の魅力、ブッペイの魅力について、
つくばは新住民と旧住民という異なる生活習慣をもった住民が存在する。始めは交流もあまりなかったが、今ではどの地域でも新住民を受け入れていること、
つくばも、新しい住宅地は東京のベッドタウンとなんら変わりない様相となってきたこと、
もっと広く、建築に関する知識を広める必要を感じること、
地域に規制を設けてもあまり意味がないのではないかということ、
過疎化が進む地域に住んでいるが、今の古い集落をそのまま維持できれば、いづれ価値がでてくる希望が持てるかもしれない、
などといった意見が交わされ、時間が足りないほどでした。
とても有意義な座談会になりました。
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